ストレッチだけでは不十分〜トリガーポイントを知ろう

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どんな本でもアスリートが日々の体のケアとしてやるべきことはストレッチと書いてありますが、正直なところこれでは不十分です。
ではどうすればよいのかですが、ここではトリガーポイントという考え方を紹介します。筋肉を酷使するアスリートの場合、このトリーがポイント療法は簡単で即効性があるのでとてもおすすめです。

トリガーポイントとは?

腰や肩などの筋肉を指で押さえたとき、コリコリと硬い塊のようになっている部分があることに気づいたことはありませんか?

そういうところを強く押すと痛気持ちよかったり「効く〜」という感じなったりしますよね?

非常に大雑把にいうとそのような筋肉の中にできたしこりのような塊がトリガーポイントです。厳密には色々と定義があるのですが、ここではざっくりとした説明にしておきます。詳しく知りた方はトリガーポイントで検索してみてください。

ちなみに、トリガーポイントの位置と指圧のツボの位置は80%ぐらい重なるという話がありツボと混同されがちです。しかしツボは科学的に存在の証明がされていませんが、トリガーポイントは生理現象でありその存在は証明されています(日本の医学会ではなぜか無視されていますが・・・)

このトリガーポイントの発生原因にはまだ決定的な説はありませんが、

  • 悪い姿勢やスポーツなどで同じ動作を繰り返す
  • 転倒などで筋肉を痛める

といったことが原因で、筋肉の一部が収縮した状態から元にもどれなくなりトリガーポイントが形成されると考えられています。

さらにトリガーポイントの部分は短く固まるので、その周辺の正常な筋肉組織は引っ張れれた状態になります。この状態が続くとその引っ張られた筋肉が索状硬結といって細く硬い繊維状になっていきます。

痛みや張りがあって調子が悪いと感じる筋肉を触ると、コリコリとスジみたいになっていると感じたことはありませんか?その場合、その筋肉のどこかにトリガーポイントが発生している可能性が高いです。

トリガーポイントと関連痛

関連痛という考え方がトリガーポイントの特徴的な点であり、多くの人が痛いところにシップを貼ったり電気をあてても治らない理由でもあります。

詳しいメカニズムは解明されていないのですが、トリガーポイントはその場所とは全く違う場所に痛みを送ることがあります。これはトンデモではなく臨床経験・自分自身の痛みの経験からも本当であると自信をもって言えます。

関連痛がどこにでるかを正確に当てることは、個人差が大きく難しいです。しかし典型的なパターンもたくさんあります。例えば、おしりの側面にある小殿筋という筋肉にトリガーポイントが(黒い×印)が発生すると下図のグレーの部分に関連痛を感じます。

小殿筋のトリガーポイントの関連痛
図は「トリガーポイントマニュアル」Dr.Janet Travell, David G. Simoins 著より引用

足の外側に痛みが分布してますよね。ランナーならこの痛みの部位をみてピピっと来る人もいるかもしれません。

そう、腸脛靭帯炎で痛い部分と重なりますよね〜。一般的には腸脛靭帯が摩擦で炎症起こして…と言われていますがこの説には突っ込みどころがたくさんあります。詳しくはまた別の記事で書こうと思っていますが、中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋のトリガーポイントが原因と考えると痛む理由がよく理解できますし、その方針で施術して改善する方をたくさん見てきています。

他の膝の痛みや腰痛も同じでトリガーポイントと関連痛という視点から見ていくと改善していくことが本当に多いです。ですので痛みがある方はまずはトリガーポイントを疑っていただきたいです。

誰もがトリガーポイントを持っている

 このように多くの痛みの原因となる可能性を秘めているトリガーポイントですが、残念ながら一度できてしまったトリガーポイントを完全に無くすことはできないと言われています。そして、誰にでも(乳幼児にも!)トリガーポイントは存在します。

ただ、幸いな事にすべてのトリガーポイントが痛みを発するわけではありません。痛みを発生させているトリガーポイントそ活動性トリガーポイント、そうでない状態のものを潜在性トリガーポイントと呼び、多くの人は潜在性トリガーポイントをたくさん持っていると考えておいてください。

それが疲労やストレス、過度に使うなどといったことが原因で活性化すると活動性トリガーポイントとなり痛みを発することになります。

トリガーポイントの解消法

前にも書きましたが、トリガーポイントそのものを完全に無くすことは困難ですが、活動性トリガーポイントを潜在性にもどす方法はいろいろとあります。整体や鍼灸はいろいろな手技・道具を駆使してそれを効率よくやっていくわけですが、かなりのところまでセルフケアで何とかすることができます。

本当はストレッチでトリガーポイントが解消されればよいのですが固まったトリガーポイントはストレッチだけではなかなか緩まないのが現実です。だからストレッチだけだと怪我をしてしまうんですね。

ストレッチ以外でどうするのかというと、実は簡単でトリガーポイント(しこりになっている部分)を30秒程度押さえるだけです。グリグリ揉むのではなく押さえるだけです。30秒たったらパッと離す、これを2〜3セット行うと徐々に血流がよくなり緩んできます。2〜3分押さえっぱなしという方法もあるのですが、押圧と弛緩を繰り返すほうがやりやすいかと思います。

これを毎日続けてください。1日に何回やっても大丈夫です。

人によってはかなり痛みがでると思うので、耐えられる(リラックスして力を抜ける)レベルまでの圧にしておきましょう。力んでしまっては緩むものもゆるみませんからね。

指で押さえると指を痛めてしまうことがあるので、僕はテニスボールやゴルフボールを使っています。またそれ専用の便利なグッズも売っているので、痛みに悩むアスリートの方は用意しておくと良いかもしれません。

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方法がわかればあとはどの筋肉をケアすればよいかということになりますが、代表的なものはこのサイトでおいおい紹介していきたいと思います。

それが待てない人は下の本がおススメです。ただし値段が高く文字だらけですが…

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