個人的には、ここを勘違いしている人がとても多いように感じています。逆にいうとここが分かるとフォームや動きががらっと変わるのではないかなと。そんな大切な胴体と手足のつながりかたについて説明していきたいと思います。
昔からアニメに出てくるロボットの胴体はほとんどが箱型です。たとえばゴールドライタン(古い)なんて典型ですね。
このようなデザインの人型ロボットが受け入れられるのは、多くの人が「人間の胴体は箱型である」と認識しているからだと考えられます。
確かに肉がついた人間の姿をみると胴体は四角い箱型で、そこから手足が生えているように感じてしまいます。しかし、当たり前ですが人間はゴールドライタンではありません。
この胴体=四角い箱というボディマップはスポーツをする時に一番最初に変えて欲しいボディマップです。解剖学的にみた胴体は楕円形であり、ボディマップは下図のようになります。
いかがでしょう?
なんだか手足が生えた虫みたいに見えてしまいますかね?
でも、これが本当の人間の構造です。骨格を重ね合わせればそのことがよ〜くわかりますよね。
この図で大切なのは股関節の位置と腕と胴体のつながりです。
まず、足は胴体の下から生えていません。横から生えているイメージです。そして、胴体との連結部(股関節)は体のすこし内側寄りになります。
仕事で患者さんと話していると、股関節は外側寄りにあるイメージ(大転子のあたり)をもっている人が多いようです。
ですが実際にはもっと内側寄りに股関節があります。また、股関節はボールジョイントなのでグルグルと動く関節です。このイメージを持てると股関節の動きがより大きくスムーズになり、自然と骨盤の動きも伴ってくるように感じています。
次に腕ですが、図を見てもらう細い線が腕から首のつけ根に向かって延びていますね。この細い線は鎖骨を表しています。そして首のつけ根にある関節(胸鎖関節)が腕の始まりになります。本当に腕と胴体はこの細い鎖骨でしかつながっていません。そして、胸鎖関節を起点として腕は動いているのです!
ここを起点に腕を動かすことを意識すると、自然と肩甲骨が大きく動くようになります。
逆に箱型胴体だと肩甲骨と胴体が一体化したボディマップになるので肩甲骨がうまく使えません。腕だけの小さな動きになってしまいます。
水泳で「もっと大きなストロークで!」なんてアドバイスを受ける人は、恐らく箱型胴体のボディマップで腕を振り回しているはずです。
肩に関してはまた別の記事で詳しく書こうと思いますが、ここではとにかく腕は首のつけ根から生えているということを理解してください。
それから、楕円型胴体にはもう一つポイントがあります。楕円型胴体には箱型胴体にある腰の分割線がありません。これは腰が捻れないという話につながります。これもまた別の記事で書こうと思います。
如何だったでしょうか?
箱型から楕円型へと胴体のボディマップの切り替えができれば、手足の可動域が広がったように感じられると思います。「動きが小さい」といわれている人は是非このボディマップをイメージしてみてくださいね!