どちらを選ぶかでその後にかかる費用が変わってくるので慎重に選ぶべき項目です。ここでは双方のメリットデメリットを比較しながらどちらがよいかを考えていきます。
27インチと比較したときの26インチのメリット
- 空気抵抗が少ない
外径が小さい=前面投影面積が小さくなるので空気抵抗は減少します。ただ、27インチよりも高回転になるのでスポークが受ける抵抗は増えるかもしれません。ですので速度が上がれば上がるほど26インチのスポークホイールは不利になると思います。 - 軽量に作れる
ホイールだけでなくフレームも軽く作ることができる。 - 剛性が高い(同じ素材・リム形状の場合)
- 小さいフレームサイズでも無理のない設計ができる。
身長が低い人(160cm以下)にはありがたい。 - 加速感が良い
軽量で径も小さいので慣性モーメントが小さくなる(=回転しやすい)ため。
簡単にいうと26インチの方が軽くて固くて空気抵抗が少なく、加速感の良いホイールになります。
ホイールの絶対性能だけ考えると26インチで決まり!と思いたくなるかも知れませんね。しかしそうでもないんですね、実は・・・
27インチと比較したときの26インチのデメリット
メリットは裏を返すとデメリットになります。
- 乗り心地が悪い
固い=振動吸収性が悪いです。ホイールやフレームの設計によって変わりますが傾向的にはこうなります。 - 安定性が悪い
これは軽量で慣性モーメントが小さいことのデメリットです。ジャイロ効果が小さくなるので直進安定性が劣ります。 - スピード維持は苦手
慣性モーメントが小さいことが原因。一旦スピードに乗ると慣性モーメントが大きい方が回転し続けようとする作用が大きくなります。
ただ回転に対する抵抗はスポークの空気抵抗が大きいので、ディスクホイールやバトンホイールなどスポークの空気抵抗が少ないホイールを利用すればこのデメリットは解消されると思います。 - 種類・パーツが少ない
世の中は27インチが主流なのでホイールやタイヤの選択肢がとても少ない。 - トラブルに会った時の対処の選択肢が少ない
練習やレースで何かトラブルに遭遇した時に27インチならスペアのホイールやチューブを貸してもらえたりできるが、26インチの場合は対応できない可能性が高い。
ジャイロ効果とは?
回転する物体には回転軸を一定の方向に保とうという性質があります。試しにホイールのハブを持って回転させてみて下さい。横に向けようとすると静止している時より重たく感じるはずです。つまり走行中のホイールは自然と一定の角度を保とうとする性質があり、これが直進安定性に寄与しています。
慣性モーメントとは?
物体の回転しにくさ(正確に言うと回転の変化のしにくさ)を表します。慣性モーメントが大きいほど回り出すのは大変ですが回り出すとずっと回り続けようとします。回転軸から遠くに重量が分布しているほど大きくなります。ですので同じ重量のホイールでも27インチの方が26インチより大きくなります。
どちらを選ぶべきか?
基本的には27インチのバイクを買うことを強くオススメします。
性能的なデメリットは工夫次第で対応できるものですが、 デメリットの4番と5番で書いたように主流でないことは色々な場面で不便を強いられます。また、買い換える時に27インチにしようと思うと、今まで買ってきたホイール資産はもう使えません。これは財布にも痛いですよね。
趣味としてトライアスロンやロードバイクを楽しむなら、絶対的な性能の追求よりも利便性を考えた方が幸せになれると思います。そういう意味で27インチをオススメするわけですね。
ただ、身長が低くてポジションが出せない・・・という場合は26インチも選択肢になってきます。身長はそう変わるものではないので次に買う時も26インチになるでしょう。ですので26インチに投資していくのも問題無いかと思います。
とはいえステムなどを工夫することで27インチでもポジションがだせる場合があるのでバイクショップとよく相談してみてくださいね。