アイアンマンジャパンに向けた練習計画その4 トレーニング目標の決定

トライアスロン解体新書 運営日誌

トライアスリート・トレーニング・バイブル(TTB)を参考にアイアンマンに向けたトレーニング計画を立てるシリーズ4回目。

今回は年間計画の大詰め、トレーニング目標を決めていきます。

  1. 今シーズンの目標を設定(済み)
  2. 出場レースの優先度の決定(済み)
  3. シーズンを各トレーニング期に分ける(済み)
  4. 年間トレーニング時間の決定(済み)
  5. 週間トレーニング時間を割り当てる(済み)
  6. シーズン目標に向けたトレーニング目標の設定

トレーニングの時間配分や期のスケジュールができたので、それに合わせて現実的なトレーニング目標を設定していきたいと思います。

トレーニング目標とリミッター

まず、トレーニング目標とはなんぞやということですが、トライアスリート・トレーニング・バイブル(以下TTB)から引用しておきますね。

このトレーニング目標というのは、シーズン目標を達成するために到達しなければならない、具体的で測定可能な課題です。

問題はどのような課題を設定するかですが、現在の自分のトライアスリートとしての弱み(TTBではリミッターと呼んでいます)の中から、シーズン目標の達成の足かせになるものを選びます。

ここで選んだリミッターの改善をトレーニング目標として設定することで、トライアスリートとしてのレベルが底上げされ大会の結果もよくなるだろうという筋書きです。

得意を伸ばすのではなく苦手を克服するという考え方ですね。これは賛否両論あるかもしれません。得意をとことん伸ばして武器にするという考え方もありますからね。

トライアスロンの場合、エリートはともかく一般の人の場合は一つの種目がずば抜けているよりトータルバランスが良い選手の方が安定した成績を出せるように思います。だからこそ著者はこういう方針をとっているのでしょう。

ただ自分のリミッターを選ぶといっても「ランが遅い」とか「スイムが苦手」といったことでは漠然としすぎて何から手をつければ良いかわかりません。

そこでTTBではトライアスリートの能力を6つに分け、どの能力がリミッターになっているかという視点で考えられるようになっています。

アスリートの能力

アスリートの能力に関しての詳細は実際に本を読んでほしいのですが、ここでは簡単に書いておきます。

【基礎能力】トレーニングの基礎をなす基本的な能力。シーズン前半はこの能力のトレーニングに力を入れて土台を作る

  • 持久力:疲労の発生を遅らせ、その影響を少なくする能力
  • 筋力:抵抗に打ち勝つ能力
  • スピード・スキル:経済的に効率よく動く能力

【専門能力】優先度Aの大会の12週間前からのトレーニングで重点を置く専門能力。基礎能力の組み合わせ。初心者には不要

  • 筋持久力:筋力+持久力 長時間にわたり高負荷に耐える筋肉の能力。トライアスロンでは重要
  • 無酸素持久力:スピード・スキル+持久力 手足のピッチが速く強度が高いときの疲労に耐える能力。ミドル以上の距離では重要度は低い
  • パワー:筋力+スピード・スキル できるだけ短時間で最大限の力を供給する能力。トライアスロンでは重要度は低い。

自分の弱点がこの6つのどれに当てはまるかを考えることで

  • 弱点がトライアスロンのリミッターになっているか?
  • どういうトレーニングをすればよいのか?
  • どういう指標を目標とすれば良いのか?

が見えてきます。

例えば僕の場合、昔からダッシュなどのスプリント系は苦手なのでパワーが弱いことは明らかです。 しかし、アイアンマンを目指す上ではパワーは全く必要ありませんからリミッターにはなりません。 ダッシュが苦手だからと言ってそれをリミッターにしてトレーニング目標にするのは的外れなわけです。

これは極端な例ですが、こんな感じで自分の弱みを分析してリミッターを考えていきたいと思います。

リミッターの分析

まずは直近のレース結果(2014年の伊良湖大会)を見てみます。

各種目の順位をみると

スイム:17位 バイク:9位 ラン:87位

となっていて誰がどう見てもランが足を引っぱっていますね(苦笑)

他の大会を見てもスイム・バイクまではいい感じできて、ランで失速というパターンがとても多いです。

ランを潰れず走れた大会では、ラン順位はスイム順位と同じかそれより上ぐらいのレベルで走れており、走力は極端に低いわけではないと思います。そんなに速くもないですが・・・

では、何故ランが足を引っぱっているのかですが、過去の大会も含めて色々と思い出してみると、ランが潰れず走れたレースには次の3つの要素が揃っているということに気づきました。

  1. 足のケガなくランの練習がしっかりできた
  2. レース中に足が痛くならなかった
  3. 全体的にしっかり練習ができて体力が十分あった

2015年の伊良湖大会に関して言えば、3番目の全体的な練習量が全く足りていなかったことが最大の原因です。

なぜかというと、ランの練習量自体はスイムやバイクより多く、それなりに走れるだろうと予想していたからです。 ところが実際にはバイク終了時点でかなり疲労していて、ランではバテバテで走れませんでした。 ついでに書くと、事前に体力不足は予想できたので、バイクもいつもより抑え気味で走ったつもりでしたが、バイクのラスト数キロですでに疲労感を感じていました・・・

そうとう体力不足で臨んでしまった大会でしたね(苦笑)

それに加えて過去4回出場したアイアンマンの結果を分析すると、バイク終了時点までは毎回同じようなタイム(6時間40分前後)なのですが、1回目以外はランの途中で膝やふくらはぎが痛くなって走れなくなり、大幅にタイムを落としたりリタイヤしています。

以上のことから考えると、

  • 全体的な体力(持久力)の向上
  • ケガなく・痛みを出さずにランが走れる体づくり

の2つが、目標達成の鍵となりそうです。

あとはこれを種目毎にもっと具体的に考えてみます。

まず、一番のキーとなるランのリミッターは

  • スピード・スキル
  • 筋持久力

の2つだと考えています。

スピード・スキルは足に負担をかけない効率の良い走り方という意味で選びました。フォームが良ければケガの確率は減るはず。

筋持久力に関しても同じような考えで、疲れてもフォームを維持して走れるだけの筋持久力があればケガしにくくなるのではないかなと。

スイムとバイクは数年前と同じレベルの持久力に戻すことができれば良いので持久力がリミッターですね。

ただ、あと7ヶ月で戻せる保証はまったくありませんから(苦笑)それをフォローする意味で次の2つをサブのリミッターとすることにしました。

スイム スピードスキル:体力をできるだけ温存できるように効率の良い泳ぎを身につける

バイク筋力:洞爺湖のコースはアップダウンの繰り返しだと聞いているので、筋力がある方が対応しやすいと予想

 トレーニング目標を設定する

以上のリミッターに対してトレーニング目標を設定していきます。

が・・・これがなかなか大変。

上手い目標設定をするためには今までのトレーニング内容や結果を記録しておかないと基準値がないので途方に暮れてしまいます。

僕は全然記録してませんし(苦笑)何よりこの2年間は十分なトレーニングをしていないので、どれぐらい行けるかが読めません。持久力に関しては漸増負荷テストをやってそれをもとに目標を決めてもよいかもしれませんがすぐにはできない・・・

まぁ、あれこれ考えるとまったく決まらないので「状況に応じて変えて行けばよいだろう」という軽い気持ちで「エイ、ヤー」と決めました。

シーズン目標 アイアンマン・洞爺湖を10時間45分で完走

リミッター メイン:全種目の持久力、ランのスピード・スキル、筋持久力 サブ:スイムのスピード・スキル、バイクの筋力

トレーニング目標(2015年2月1日時点)

  1. 3月16日までにミッドフット着地・180回/分のピッチで60分楽に走れるようにする(ランのスピードスキル)
  2. 3月16日までに25mを13〜14ストロークで泳げるようにする(スイムのスピードスキル)
  3. 4月13日までにスクワット80kgを4回できるようにする(バイクの筋力)
  4. 5月11日までにバイクで平均30km/hで120km以上走れるようにする(バイク持久力)
  5. 6月1日までにスイムで100×20本 100秒サークルで回れるようにする
  6. 6月1日までにミッドフット着地・180回/分のピッチ・キロ5分30秒ペースで120分間走れるようにする(ランのスピードスキル)
  7. 7月6日までにローラー台で230Wで1時間以上走れるようにする(持久力)
  8. 7月6日までにスイムで100×10本 90秒サークルで回れるようにする(持久力)
  9. 7月20日までにキロ4分45秒ペースで120分間走れるようにする(ランの筋持久力)

具体的な数字は期の区切りを目安に「これぐらいできるようになっていればよく練習していた頃に近い状態だろう」と思われる数字に設定しておきました。

まぁ、目標もスケジュールも現実と摺り合わせて調整していくものなので、確実にこれからドンドン変化していくでしょう。

上方修正できることを祈って頑張っていきたいと思います!

これで、年間計画は完成したので次回からは週間計画ですね。なんか計画作るだけで燃え尽きそう(苦笑)

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