運動強度の決め方

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トレーニングでポイントとなるのはどれだけの負荷(運動強度)にするか。特に初心者の場合は基準がないので途方に暮れると思います。
ここでは一番客観的に決めることが可能と思われる心拍数を使った運動強度の決め方をお話しします。

心拍数をつかうのが簡単

心拍トレーニングのススメでも書きましたが、やはり心拍数で運動強度を決めるのが一番分かりやすく初心者の方にはオススメです。

心拍計が無い場合、例えば運動直後や信号待ちの時に15秒間の心拍を測ってそれを4倍すれば大まかな心拍数は分かりますが正直なところ現実的ではありません。どのみちスポーツウォッチが1個は必要になりますから、一番安いもので十分ですので是非とも心拍計は手に入れましょう。

ということで、心拍計を使うという前提で話を進めていきます。一応、主観的なきつさも書いておくので心拍計がない方はそれを参考にしてみてください。

運動強度(心拍ゾーン)の決め方

まずトレーニングの目的(練習区分)によって運動強度を4つのゾーンに分けます。各ゾーンはHRR(=最大心拍数−安静時心拍数、Heart Rate Reseve:心拍予備量、)に対して何割になるかで決めていきます。

具体的な分け方はトレーニング本によって違いますが強度の区切りはだいたい同じです。ここでは「宮塚英也の8週間で誰でもトライアスリートになれる」から引用させてもらい、少し加筆したものを示しておきます。練習区分については別の記事で説明します。

ゾーン 強度(%) 練習区分 回復時間 主観的なきつさ レースでいうと?
E1 〜70 有酸素トレーニング 12時間 楽ちん♪ 初心者のロング
E2 70〜85 LTトレーニング 12〜24時間 ちょっとキツイけど気持ちイイペース ミドル・ロング・フルマラソン
E3 85〜90 ATトレーニング 24時間 しんどいけどまだ余裕有り 51.5km・ハーフ〜10kmのラン
E4 90〜100 無酸素トレーニング 24〜72時間 もう限界 スプリント・5kmのラン

 この表から自分がやりたい練習区分の目標心拍数を下記の式で計算します。数式嫌いの人には目がくらみそうかもしれませんが、少しガマンして下さいね。

目標心拍数=(最大心拍数−安静時心拍数)×強度+安静時心拍数

たとえば、最大心拍数が190bpm、安静時心拍数が60bpmの人が有酸素トレーニングを行いたい場合、

(190bpm-60bpm)×0.7+60bpm=151bpm

となり、151bpmを越えない心拍数でトレーニングすることになります。こうすることで具体的な練習目標が決まりますね!

ただ、これを毎回計算するのは面倒です。Excelなどの表計算ソフトを使えば簡単に計算できますが数学嫌いの人には酷ですよね。

そこで、便利ツールのコーナに年齢と安静時心拍数をいれれば簡単に計算できるツールを用意しました。名付けて「目標心拍数 計算機」。そのまんまのツールです。計算嫌いの方もそうでない方も是非ご利用下さい。

さて、式を見ていただければ分かりますが、安静時心拍数と最大心拍数はあなた自身が実際に測定する必要があります。これが実はめんどくさいんです…

安静時心拍数

 安静時心拍数は朝目が覚めたときに起き上がる前に測るとよいでしょう。心拍計を枕元においておいてもよし、15秒間脈を測って4倍するもよし、お好み方法で。

ちなみに毎朝安静時心拍数を測るクセを付けると、カラダのコンディションの目安になるのでオススメです。普段より高めだったり低めだと疲労がたまってる可能性が高いです。

最大心拍数

問題は最大心拍数です。これは限界まで追い込まないと分かりません。ですが、限界まで追い込むのは意外と難しいです。

レースで競り合うなどすると追い込みやすいですが、一人でテストするのはかなりの精神力が必要です。また、限界まで追い込むのですから危険も伴います。特に今まで全然運動をしていなかった人は要注意です。

また、最大心拍数はトレーニングでは変化しませんが年齢とともに低下することが知られています。ですので年に1回は計り直す必要があります。

さらに、厳密には種目毎でも最大心拍数は変わる(スイム<バイク<ランの順番で高くなる)ので種目毎にも計る必要があります。

このように、マジメに最大心拍数を計ろうとするとものすごく大変でかつ危険を伴います。

そんなやっかいな最大心拍数ですが幸いにも推定するための計算式がいくつか考案されています。一番有名なのは220公式、カルボーネンの公式と呼ばれるもので、次の式で最大心拍数が求められます。

最大心拍数=220-年齢

ほとんどの心拍トレーニングの本はこの公式を紹介してますが…実はこの公式は誤差が大きく、実際の最大心拍数よりも大きくずれることも確認されているそうです。

その精度を改善した公式が「アイアンマンのつくり方」で紹介されていた次の式です。

最大心拍数=207-年齢×0.7

両方の公式で最大心拍数を計算できるフォームを設置しておきますね。これであなたの最大心拍数を計算してみて下さい。

年齢:(半角数字で入力すること)
最大心拍数:0 bpm (←207-年齢×0.7)
最大心拍数:0 bpm (←220-年齢)

ただ、当たり前ですがどちらの公式でも同じ年齢だと同じ最大心拍数になってしまいます。これは経験的にあきらかにおかしいのですが、許容できる範囲の誤差ならば良いでしょうという感覚で捉えてくださいね。

これで最大心拍数と安静時心拍数もめでたく決まり、目標とする運動強度を決める準備が整いました。次に必要となるのはどの運動強度でトレーニングするかです。それは別の記事で!

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