ここではタイプ別でバイクを運ぶ時のポイントを説明していきます。参考にして下さい。
自動車で運ぶ
自動車でバイクを運ぶ場合、分解して車内に積むか、キャリアを買って車外に積むか決めなければなりません。
僕は車内に積むことをオススメします。
その理由は車外に積むと大切なバイクが傷んだり盗難の危険が増えることと、前後輪を外せば大抵は車内に積むことができるからです。以前レース会場でRX-7のトランクにバイクを積んでいる人を見かけたことがあるので、スポーツカーでも2シータでなければ何とかなると思います。ただ、グループや家族など大人数でレースに行く場合はしかたないですね。
車内に積む時の注意点は2つ。
1つめは、油汚れ。チェーンやギアで内装に油汚れが付くと掃除が大変です。チェーンまわりはいらないバスタオルやウェスで覆っておくと安心です。
2つめは固定。置いただけだと結構動きます。シートベルトを巻いたり荷物をまわりに置くなどして動かないようにしましょう。僕はパンクしたチューブを使って固定しています。ヘッドレストや取っ手を利用して巻けばしっかりと固定できます。
3つめはリアディレイラーの保護。力がかかると壊れやすい部分なので、横に倒して積む時は右(チェーンがある側)を必ず上にします。後輪を外して立てて積む場合はひっくり返してサドルとハンドルを床に付けて積むようにしてください。
ちなみに荷室の高い車を持っていると下の写真のような積み方ができます。バイクのチューブで倒れないように固定しています。僕はこの車(ホンダのモビリオスパイク)に変えてからバイクの積み卸しが劇的に楽になりました。これから車を買うなら室内高さも気にしてみるとよいですよ。
次に車外に積む場合について。
車外に積む方法はルーフキャリアとリアキャリアの2種類。ルーフキャリアはどんな車でもつきますが、リアキャリアは車の形状によって変わります。
僕はルーフキャリアもリアキャリアも使ったことがありますが、大きな問題がでたことはありません。ただ、一度だけリアキャリアでバイクの固定が甘く落ちそうな状態で高速道路を走ったことがありました(下の写真)
バイクの固定はしっかりチェックしましょうね。
両タイプのメリット・デメリットを書いておくので選ぶ時の参考にして下さい。
ルーフキャリア
- メリット
車幅を気にしなくて良い、後方の視界を妨げない - デメリット
走行中の空気抵抗や風雨をもろに受ける、高さ制限のある場所を通る時にうっかり忘れると悲劇、天井に乗せるのがやや面倒(ワンボックスの場合)、車の空気抵抗が大きくなるので燃費が悪くなる
リアキャリア
- メリット
ミラーでバイクの様子が見れるのでちょっと安心、積むのが楽、車の空気抵抗はそれほど増えない - デメリット
車幅からはみ出る場合があるので狭いところを走るのに気を遣う、跳ね上げや排気ガスなどで汚れる、後ろが見にくい。
輪行する(電車で運ぶ)
電車で運ぶ場合、自転車を分解して輪行バッグという袋に入れる必要があります。輪行バッグはバイクショップで売っていて、折りたたむとボトルゲージに入るぐらいコンパクトになります。
バイクの分解は基本的には前後輪を外すだけで大丈夫ですが、DHバーが付いていると外す必要があるかもしれません。それから、エンドが変形しやすいので保護するためのグッズがあると安心です。
正直なところ輪行バッグにバイクを入れる作業はかなり面倒です。さらにバイクだけで10kg近くありそれに加えて着替えやシューズなどの荷物を持ち運ぶことになるので移動が大変。
ですので初心者の方にはオススメしません。宿に発送した方が楽です。
飛行機で運ぶ
飛行機で運ぶ場合、しっかりとしたバイクケースを使うことをオススメします。値段は2〜5万円ぐらいでハードケースとソフトケースの2種類があります。
ハードケースはその名のごとくプラスチック製で固く安心感がありますが重いのが難点。ソフトケースはクッション性のある布製でバイクを固定するフレームが中に入っています。バイクをあまり分解せずに収納できます。
ソフトケースは不安を感じるかも知れません。ですがどちらも使った経験から言うとソフトケースで全く問題はありません。安心してください。
保護能力とともに、バイクをどこまで分解する必要があるかがケース選びの重要なポイントになります。オススメは前後輪とサドルを外すだけで収納できるタイプ。ソフトケースと大型のハードケースがこのタイプです。
大きなスーツケースぐらいコンパクトなハードケースもありますが、かなりバイクを分解する必要があるのでオススメしません。実際僕が一番使っていたケースはこのタイプでしたが、毎回バイクを梱包するのに苦労しました。
下図のようにハンドル、ペダル、ボトルゲージ、DHバーも全て外す必要があります。隙間にはヘルメットやボトル、シューズ、ウェットスーツ、補給食などを詰め込んで中で動かないようにしています。
入れるのは大変ですが、入るとこんな感じでとてもコンパクトになります。写真ではホイールが外に出ていますが前後輪どちらもケースに収まります(かなりきついですが(苦笑))
それと、家に保管するスペースがあるかどうかも頭の片隅に入れておきましょう。僕は狭いアパートに住んでいる時は保管場所に困りました。
あと、使い捨てですがダンボール箱で運ぶという技もあります。キャスターをつけるなど工夫する必要はありますがとてもリーズナブルに済みます。箱はバイクショップで不要な箱をもらってくればOK。大きい箱だと前輪とサドル・ペダルを外すだけで入るので梱包も楽です。これにチャレンジする場合はバイクショップに相談してみるとよいと思います。
輪行バッグで飛行機は可能か?
結論から言うと可能です。僕は2001年にツールド沖縄に出場したのですが、その時はケースを買うお金がなく(泣)輪行バッグで飛行機に乗せました。注意した点は前後のエンドの保護(いらないハブを挟むなど)と補強のためにダンボールを中に入れたことぐらいです。特に問題はなく、むしろハードケースより丁寧に扱ってくれたかもしれません。ただし、これは国内線の話です。国際線はどうなるかわかりません。ご参考までに!
運送業者に頼んで発送する
国内の離島に運ぶならこれが一番楽でオススメ。離島でなくても、車がない人は輪行よりこちらをオススメします。
運賃は送り先により変わりますが、例えば愛知県→五島だと片道3000円ぐらいで送れます。
実は飛行機で運ぼうとするとチェックインの時に6000円ぐらい追加で払う必要があるので、国内なら送った方が安いです。デメリットは早めに送るので直前のバイク練習ができないことぐらいです。
梱包はバイクケースかダンボール箱でOKです。
バイクの梱包・発送が済んだらいよいよ現地へ向けて出発です。次は大会前日に現地での過ごし方についてお話しします。