補給はバイクでしっかりと!
3種目中で一番補給をとりやすいのがバイクです。ここでしっかり補給をしておかないとランでエネルギー切れや脱水になってしまいます。
それから運動中は胃などの消化器官の能力が通常よりも低下しています。そのことをも頭に入れて補給するようにしてください。
まず水分を摂る時は一度に大量ではなく10〜20分ぐらいの間隔で少しずつ飲むようにします。一度に大量に飲むと吸収できず胃にたまって気持ち悪くなるので気をつけてください。
補給食も同様です。ジェル系のものなら一袋一気に食べてしまえばよいですが、固形物の場合は小分けにして食べましょう。運動中に食べ物を噛んでると鼻呼吸しかできなくなるので呼吸がしんどくなります。しかし、内臓の負担を減らすためにはよく噛んだほうがよいです。こういう矛盾があるので補給食はあまり噛まずに済む食べ物の方がオススメです。
それから登りで補給するのは呼吸の話もありオススメしません。かなり苦しくなりますからね。平地か緩やかな下りだと食べやすいと思います。
補給食を食べる時はどうしても注意が散漫になったりふらついたりします。落車や他の選手の迷惑にならないよう気をつけてくださいね。
ドラフティングと追い越しについて
ドラフティングとは人の後について走ること。レース中だと下の写真のように一塊の集団になって走ったり、一列棒状で走ったりしている状態です。
ドラフティングすると前の人が風よけとなり空気抵抗が劇的に減ります。自転車で走行中の抵抗の約80%は空気抵抗と言われており、それが減るんですからビックリするぐらい楽に走れます。さらにその効果は前の人に近づけば近づくほど大きくなります。
しかし、エリートのレース以外はほとんどの大会でドラフティングは禁止!
JTUのドラフティングルールが基本になりますが大会毎にローカルルールを設けている場合があるので大会要項はよく読んでおいてください。特に後方何mまでがOKかは大会によって違うことがよくあります。参考までにJTU競技規則抜粋からドラフティングルールを引用しておきます。
<ドラフティングルール>
1.ドラフティングは、前走者や車の後ろを風よけにして、楽に走ろうとすること。競技者は、他競技者からのドラフティング走行違反を拒否することができる。
2.ドラフトゾーンは、バイク後輪の最後部を起点に、後方5m 、両サイドに各1m 、計2m の範囲。追い抜き時間は15 秒以内。車からは35m 以上離れる。
3.自転車幅は2m 以内。エリート、一般とも2 台半から3 台分の車間距離をあける。
4.ドラフトゾーンへ入れるのは、15 秒(共通)以内に追越せるとき。そして減速が必要なエイドステーション付近、トランジション出入り口、折り返し地点。
細かく規定があるので「レース中にこんなの確認できない!」と思う人もいるかもしれませんが
- 車間をバイク3台分あける
- 横に並ばずキープレフトを守る(左側走行・右追い越し)
- 追い越す時は気合いを入れて一気に抜く
ということを意識しておけばよっぽど大丈夫。ドラフティングゾーンのイメージは下図のような感じですね。赤いエリアに入らないように注意します。
3番目の追い越しについては特に注意することがいくつかあります。こちらもJTUからの抜粋を引用しておきますね。
<バイク追越しの決まり>
1 安全に素早く追い越せると判断したら、後方確認、右手を挙げ、右側から追い越しに入る。センターラインは越えない。
2 追い越したら、再度後ろを確認。左手で合図し、キープレフト走行に戻る。
3 追い越し中は、《追い抜く意志を持って、前進している》ように見えなければいけない。ピタリと接近し、静止しているように見えると、規定タイム内でも警告を受ける。
4 前輪先端が、先行する前輪の先端よりも前に出たときに「追い越した」と見なす。
5 追い越されたら、すぐ抜き返したり、背後に付いてはいけない。後退しているように見えなければ注意を受ける。15 秒以内に後方5m まで下がる。
5番目に書いてあるように追い越されたからといってムキになってすぐに追い越すのはNGです。負けず嫌いな人はついついやってしまいそうですよね(笑)追い越されたら一旦相手のドラフティングゾーンから出て(5m後方に下がって)そこから追い越し返さなければなりません。注意してくださいね。
それからもう一つ大事なルールがあります。例えばあなたの前を2人の選手が走っていたとします。そして後の選手はドラフティングゾーンをピッタリ守っています。このとき後の選手1人だけ抜いて2人の間に入るとブロッキングとよばれペナルティの対象になります。要は割り込みはダメということ。この場合は2人とも追い越さなければなりません!だから、一列棒状になってしまうとよほど力の差がないと追い越しは困難だと思っておいてください。
ドラフティングやブロッキングが審判員に見つかるとペナルティを受けます。ペナルティについてはその場で止められたりペナルティタイムを加算されたり、バイク終了後ペナルティボックスというところで何分か待つといったことがあります。
そうならないようにくれぐれも気をつけましょう。ちなみに僕はペナルティは受けたことがありませんが不意に近づきすぎて「離れて!」と注意を受けたことは何度かあります。アップダウンがあったりして前の人のスピードが変化すると一気に車間がつまることがあるんですよね・・・
ここまでドラフティングと追い越しのルールについて話してきましたが、正直なところ周回コースでコース幅が狭く、さらに参加者も多いという条件が重なるとルールに厳密に従うのが難しい時もあります。ここで「そんな場合はしょうがない」と書くと問題発言になるので(苦笑)どんなときでも最大限車間を空けるように努力しましょう、と書いておきますね。
トライアスロンは自分との戦いが基本。苦しいとついつい人の力に頼って楽をしたくなるかもしれませんが、何のためにやっているのかを考えて判断してくださいね。
コースの周回数は自己管理が基本です!
周回コースの場合、何周走ったかは自己管理です。だれも教えてくれません!周回数が多い分にはレースを長く楽しめるので(笑)よいですが、周回不足だと問題になります。特に表彰が絡んでくると多くの人に迷惑を掛けることになります。
こういうときに役に立つのがサイクルコンピューター。自分が何キロ走ったかわかるので周回数が正しいかどうかわかります(トランジットの準備でも書きましたが必ずストップウォッチをリセットしておきましょう)。
もし途中でスピードが出なくなったら・・・後はタイムで予想するしかないです。普段から練習していれば大体どれぐらいのタイムで走れるか予想がつくと思うのでそこから大きく外れなければ大丈夫。普通は1周少ないと相当速いタイムになるのでおかしいと思うはずです。
もしどうしてもわからなくなったら多めに周回することをオススメします。というのも周回数が少ないと失格ですが多すぎても失格にはならないので。
周回数を間違えると・・・
僕自身は間違えたことはありませんが、何年か前に参加したサンライズイワタIN竜洋大会で1位ゴールした選手ががバイクの周回を1周間違えて失格になったことがありました。本人は本当にガックリだと思います。ただ、この大会では周回数をアンクルバンドで測定していたのでそれが動かぬ証拠となり問題にはなりませんでした。ですがたまに周回数を計測していない大会もあります。その場合はサイクルコンピューターの距離が証拠になります。それもないとなると・・・主催者・選手ともに納得がいかないまま終わることになります。そういう意味でもサイクルコンピュータは日ごろかちゃんと動くように整備しておきましょうね。
ここでは主に補給とドラフティングに重点を置いて話をしました。それ以外はコース・天候によって変わってくると思うので臨機応変に対応してバイクパートを楽しんでください。
一番長いバイクパートが終わるとあとはラン、そしてフィニッシュが待っています。ゴールまでもう一息です。
その前に次はバイク→ランのトランジットについて説明していきます。